レトロ建築でたどる福井の水道の歩み
【福井県市水道記念館】福井市の隠れた名所で文化と技術を体感

今回は福井県福井市足羽(あすわ)の足羽山のふもとにある福井市水道記念館に訪れました。
国登録有形文化財にも指定された歴史的な建造物であり、水道の歴史と技術を学べる魅力的な観光スポットです。
見学時間は30分ほどでした。足羽山の動物園なども合わせて観光するのがおすすめです。
- ステンドグラス化された美しい年縞(ねんこう)
- 水月湖(すいげつこ)の年縞(ねんこう)は過去・現在・未来を理解するための重要な科学ツールであり、世界中から注目されている
- 2018年オープンのため館内が綺麗で写真映えする
- 地球の歴史や気候変動の勉強になり知的好奇心が刺激される
- カフェ縞(しま)では三方五湖や自然に囲まれた中で福井ならではのユニークなメニューを楽しむ事ができる

この記念館は、1924年(大正13年)に建設された「足羽揚水ポンプ場」を改修して2004年に開館しました。大正時代の洋風建築の特徴を残す外観は、2011年に国の登録有形文化財に指定されています。
レトロな雰囲気で凛として立派に佇んでいました。

館内に入ると、現役時代そのままの大型揚水ポンプが存在感を示していました。
この揚水ポンプは、浄水場から約50mの高さにある足羽山の配水池まで水を送る能力を持っていたそうです。この配水池に水を溜め、そこから重力を利用して市内に供給する仕組みが採用されていました。
理系の性なのかもしれませんが、50mもの位置まで水を上げるためには相当な位置エネルギー分のエネルギーを与える必要があるなと思ってしまいました。
ストローを口で吸ったらどれほどまで高く水を上げられるか気になり、試しに調べてみました。すると、「世界最長のストローで水を飲む」と題したショート動画が、4100万回を超える再生回数を記録する大人気でした。
人間の肺活量を利用して水を吸い上げる場合、計算上理論的な限界は約10mだそうです。これは大気圧(1気圧)が水を押し上げることができる高さに基づいています。ただし、実際には水蒸気圧や摩擦などの影響で、8~9m程度が現実的な限界とされています。

この動画の実験では、肺の力だけで吸い上げられる高さは約4m程度でした。ストローの中を真空にすることができてやっと8〜9mなので、一般的な成人男性の肺活量の4000~4500ml程度では完全な真空状態を作り出すことは困難だったようです。
また、長時間にわたって低圧状態を維持することは難しく、酸欠になってしまいますね。
以上、ちょっとした理科の小話でした。

江戸時代の水道管などの展示もありました。当時は木の水道管を使っていたんですね。

また、子ども向けには揚水ポンプ体験コーナーがあり、楽しみながら学べる工夫がされています。

水道水は、川の水を何回もろ過し配水池に貯められたのち、配水管で各家庭に配られるということがわかりました。
日本では、1人当たり1日で使用する水の量は平均約 230L だそうです。この内訳は以下の通りです。
- トイレ: 約28%(50~65L)
- 風呂: 約24%(80~90L)
- 炊事: 約23%(40~50L)
- 洗濯: 約17%(35~40L)
- その他(洗顔や掃除など): 約8%(15~20L)
また、飲料水として直接摂取する量は1日あたり約 1.2~2.5Lとされ、食事から摂取する水分も含めると合計で約3Lとなります。
びっくりするほど多くの水を使っているのですね。
また、水の安全性を確認するために金魚などの生態センサーを使っていることにも驚きました。以下のようなセンサーが一般的に使用されているそうです。
1. 微生物センサー
- 特徴: 微生物の酸素消費量や代謝活動の変化を検知
- 用途: 硝化細菌などを用いて毒性物質を検出し、水質異常を監視
- 例: 固定化微生物膜と溶存酸素電極を組み合わせたセンサー
2. 魚類センサー
- 特徴: ヒメダカや金魚などの魚類の行動や筋肉活動を監視。行動解析(位置分布検知)や生体電位測定(筋肉活動の電位変化)を利用
- 用途: 毒性物質の混入や突発的な水質異常を検知
- 例: 「メダカのバイオアッセイ」では、魚類の群れ行動や捕食防御本能を活用して異常を検出する
3. バイオセンサー
- 特徴: 細菌、ウイルス、毒素などの生物学的汚染物質を検出。酵素や抗体などの生物学的認識要素を使用し、電気化学的または光学的方法で信号に変換
- 用途: 飲料水の安全性確保や公衆衛生監視。
これらのセンサーは、浄水場で水質異常の早期検知や水道水の安全性確保に重要な役割を果たしているそうです。
生活に欠かせない水は徹底的に安全管理されていて安心ですね。

やはりインフラは人間の生活に欠かせない大事なものだと改めて理解することができました。現在、当たり前のように享受することができるこの生活環境に感謝をするきっかけを与えてくれました。
以下まとめると、福井市水道記念館では色々なことを学ぶことができます
- 揚水ポンプの機能と役割の紹介
- 福井市水道事業の歴史・現在・将来
- 江戸時代から現在までの水道管の展示
- 水道ビジョンや福井市の水道に関する主なデータの閲覧
- 揚水ポンプ体験コーナー(ゲーム形式)

2階ではマンホールカードを配っておりました。土日祝日はこちらの福井市水道記念館で配り、平日は福井市上下水道局経営管理課(下水道局3階)で配布しているようです。
マンホールカードは、各地のマンホール蓋のデザインをカード化した無料配布のコレクションアイテムです。2016年に配布が開始され、2025年1月時点で全国714自治体と3団体が1076種類を制作しています。カードにはマンホール蓋の写真や設置場所の座標、デザインの由来などが記載されており、地域の魅力発信や下水道への関心向上を目的としています。配布は現地で行われ、観光促進やコレクション性も高く、多くの人々に親しまれています。
私の周りでもマンホールカードを集めている人が何人かいます。旅の思い出として受け取るのも、マンホールカードを収集するのも楽しそうですね。
福井市水道記念館
営業情報
- 開館時間:午前9時~午後4時30分
- 休館日: 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日)、年末年始
- 入館料:無料
アクセス
- 住所:〒918-8007 福井市足羽1丁目7-35
- 交通手段:
- 車:北陸自動車道「福井IC」から約15分。
- バス:
- 京福バス
72・74系統(清水グリーンライン線)「左内公園口」バス停下車、徒歩約1分
70系統(運動公園線 道守高校先回り)「久保町」バス停下車、徒歩約6分 - コミュニティバスすまいる
西ルート(照手・足羽方面)「愛宕坂」バス停下車、徒歩約3分
- 京福バス
- 電車:「足羽山公園口駅」下車、徒歩約6分
- タクシー:JR福井駅から約5分
その他施設情報
- 無料駐車場あり(3台)
お問い合わせ: 0776-35-6751
※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、HP等で最新情報の確認をしてください
最後に
いかがでしたか。北陸新幹線が延長され、福井県は東京からでも観光しやすい場所となりました。ぜひ、次の旅行では福井県を旅先の候補の一つにしていただければと思っております。
旅行で得た経験や知識は何年経っても色褪せない思い出になります。皆さんの旅が最高の旅になるように、少しでも多くの役立つ情報を提供していこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。